11月も中旬になると朝晩の冷え込みが強まり、人もペットも「冬支度」が必要な季節になります。
犬や猫は毛に覆われているとはいえ、寒さに強い子ばかりではありません。特に子犬や子猫、高齢のペットは体温調整が苦手で、ちょっとした冷えが体調不良の原因になることもあります。
今回は、イヌ・ネコの冬の過ごし方とケアのポイントを詳しくご紹介します。
🏠1. 室内環境を冬仕様に整える
● 室温と湿度のバランス
冬場の理想的な室温は、犬猫ともに20〜23℃前後、湿度40〜60%。
暖房を入れると空気が乾燥しやすく、鼻や喉、皮膚のトラブルを引き起こすことがあります。加湿器を併用し、快適な湿度を保ちましょう。
特に猫は暖かい場所を好むため、ヒーターの前から動かなくなる子も。低温やけどを防ぐため、直接触れないようガードを設置するなど工夫が必要です。
🛏2. ベッド・寝床をあたたかく
犬や猫が長時間過ごす寝床は、冬の快適さを左右します。
床の冷気を避けるために、カーペットやマットの上にベッドを置くのがポイント。
ベッドの下に断熱シートを敷くだけでも暖かさが違います。
・犬の場合:胴長のダックスやシニア犬は腰や関節が冷えやすいので、ふかふかのクッションタイプを。
・猫の場合:ドーム型ベッドやこたつ型ベッドが人気。暗くて狭い空間が落ち着くタイプには特におすすめです。
・子犬・子猫:体温調節が未熟なため、ペット用ヒーターをベッドの半分だけに設置して、自分で温度を選べるようにしましょう。
🍽3. 食事と水分で内側から温める
冬は代謝が上がる季節。体を温めるエネルギーが多く必要です。
そのため、少しカロリーを増やした食事や、ぬるめの水・スープを与えるのも効果的です。
・シニア犬・猫は噛む力が弱くなるので、少し温めた柔らかめのごはんがおすすめ。
・子犬や子猫は消化力が未熟なので、少量ずつこまめに与えましょう。温めることで香りが立ち、食欲もアップします。
・水飲みをサボりがちな冬こそ、ぬるま湯で水分補給を促す工夫も大切です。
🚿4. 冬のスキンケアとブラッシング
乾燥が進む冬は、犬猫の皮膚トラブルが増える時期でもあります。
暖房の風や静電気で被毛がパサつき、かゆみやフケが出やすくなります。
定期的なブラッシングで皮脂を行き渡らせ、血行を良くすることが大切です。
シャンプーの回数は、冬は月1回程度で十分。保湿効果のあるシャンプーやオイルミストを使うと、皮膚の乾燥を防げます。
また、犬猫用の静電気防止スプレーを軽く使うのもおすすめです。
🧥5. 散歩・運動の工夫(犬の場合)
寒い日でも犬には適度な運動が必要です。
ただし、冷たい空気が気管や関節に負担をかけることも。
朝晩の冷え込みが強い時間帯は避け、日中のあたたかい時間に短めの散歩を数回に分けると安心です。
短毛種や小型犬は、防寒ウェアを着せてあげましょう。
特にチワワ、トイプードル、イタリアングレーハウンド、ミニチュアピンシャーは冷えやすい体質。
散歩の後は室内で身体を温め、雨などに濡れた場合は、しっかり体を拭いてあげてください。
🧶6. 室内遊びで運動不足を解消(猫の場合)
猫は寒いと動きが減り、体重が増えやすくなります。
お気に入りの場所がこたつや布団の中ばかりになっていませんか?
冬の間も運動できるよう、キャットタワーやトンネル型おもちゃを活用しましょう。
子猫の場合は、遊びながら筋力と体温を上げられる時間がとても大切です。
「短時間×何回も遊ぶ」が健康維持のコツです。
💉7. 冬の健康チェックも忘れずに
「冬は病気が少ない季節」と思われがちですが、実は体調を崩す子も多いです。
特に気をつけたいのが、以下のようなサイン。
食欲がない
下痢・嘔吐が続く
咳・くしゃみ・鼻水が出る
動きが鈍く、じっとしている
寒暖差による風邪・関節痛・泌尿器トラブルが増えるため、早めの受診が安心です。
※甲状腺機能低下症という病気に罹ると、ホルモンの影響や脱毛の症状により「寒さ」にとても弱くなります。
以前に比べて「寒がりになったな」と感じたときは、動物病院で「甲状腺ホルモン」の検査をしておくとよいかもしれません。
また、冬の間もフィラリア予防やノミダニ対策を続ける地域もあるので、かかりつけの病院で確認しておきましょう。
🌸まとめ:冬を快適に乗り切る「ぬくもりケア」
犬や猫にとって、冬は静かに過ごす季節でありながら、体調を崩しやすい時期でもあります。
特に子犬・子猫・シニアペットは、ほんの少しの寒さが大きなストレスになることも。
大切なのは、
「室温・寝床・食事・スキンケア・運動」
この5つのバランスを整えること。
人と同じように、ペットにも“あたたかさ”を感じられるおうち時間を。
心も体もぽかぽかの冬を、愛犬・愛猫と一緒に過ごしましょう。🐶🐱💕